犬の暑さ対策に潜む保冷剤の盲点!エチレングリコール中毒の罠
万が一、愛犬が保冷剤を破って中身を口にしてしまった場合、飼い主が自宅で行うべき応急手当と、絶対にやってはならない禁忌事項がある。
最優先すべきは、口の周りや口腔内に残っているジェルを濡れたガーゼなどで速やかに拭き取ることだ。そして、破られた保冷剤のパッケージや残骸を回収し、可能であれば商品名や成分表示、製造元を確保する。これらは獣医学的な治療方針を即座に決定づける決定的な証拠となる。
絶対にしてはならないのは、塩水を飲ませるなどして自宅で無理に吐かせようとする行為だ。高ナトリウム血症による脳浮腫や、嘔吐物の誤嚥による重篤な誤嚥性肺炎を引き起こし、それ自体が致死的要因となる。疑わしい保冷剤を口にした形跡を発見した瞬間、一刻の猶予もなく近隣の動物病院へ連絡を入れ、直ちに診察を受けるのが唯一の生還ルートである。特にエチレングリコール中毒は、代謝を阻害する解毒剤(エタノール療法やホメピゾール投与)を摂取後数時間以内に投与できるかどうかが生死の分かれ目となる。