秋葉原無差別殺傷事件・加藤智大と母親の確執が生んだ教育虐待の闇
家庭崩壊の果てに待っていたのは、社会的孤立だった。派遣労働者として各地を転々とする中、加藤が唯一自分の存在価値を見出していたのが携帯電話のインターネット掲示板だった。ネット上の住人たちからの「承認」だけが、彼の壊れかけた自我を辛うじて支えていた。
東京地方裁判所から最高裁判所に至る公判の中で、加藤は犯行の直接的な引き金として「掲示板でのなりすましや嫌がらせ」を挙げた。だが、その根底にあったのは、誰からも必要とされていないという絶望的な孤独感だ。犯罪心理学の専門家は、過酷な教育虐待によって育まれた「他者への不信感」と「極端な承認欲求」が、ネット上のトラブルをきっかけに致命的な攻撃性へと転じたと分析している。