清純派から前衛の美神へ!鰐淵晴子が篠山紀信と刻んだ伝説の軌跡
写真表現での覚醒と歩調を合わせるように、映画の世界でも彼女の変貌は留まるところを知らなかった。特に映画会社・東映のアウトロー路線への進出は、従来のファンを大いに驚かせた。その象徴が、伊藤俊也監督による名作『女囚さそり 第41雑居房』だ。
梶芽衣子演じる主人公・さそりと対立する女囚グループのリーダー格として登場した彼女は、狂気と気品が同居する圧倒的な存在感をスクリーンに焼き付けた。過酷な雑居房の中で見せる冷徹な眼差し、そして惜しげもなく披露された妖艶な肉体。かつて松竹のメロドラマで微笑んでいた少女の面影は微塵もなく、そこには凄惨な暴力とエロティシズムが交差するダークな美神が君臨していた。この鮮やかな転身によって、彼女は唯一無二のアクティヴな女優としての評価を確固たるものにした。