Nhk伝説の『タイム・トラベラー』映像消失の真相と最終回が残る奇跡
本作の原作は、筒井康隆が学年誌『中三コース』などに連載した短編ジュブナイル小説『時をかける少女』です。しかし、ドラマ化にあたっては全18回という長尺の帯番組(週3回放送)に合わせ、大幅な再構成と独自の設定追加が行われました。
原作小説は比較的コンパクトな構成で、主に和子の主観的な戸惑いと謎解きに焦点が当てられていますが、ドラマ版『タイム・トラベラー』ではSFサスペンスとしてのサスペンスフルな演出が徹底的に強化されました。特に未来人ケン・ソゲルが現代にやってきた目的の描写や、彼が未来へ帰還するためのタイムカプセル(エネルギー装置)の捜索を巡るドラマが緻密に肉付けされています。
また、原作では深町一夫という名前が主体ですが、ドラマでは本名である「ケン・ソゲル」という異星人のような未来人名が前面に押し出され、冷徹な科学者でありながらどこか哀愁を漂わせるキャラクターとして造形されました。この大胆な翻案は原作者の筒井康隆からも高く評価され、後の大林宣彦監督による実写映画版(1983年)や細田守監督のアニメーション映画版(2006年)に至るまで、派生作品の基盤となる世界観を確立しました。