昭和を疾走した名優・長門裕之の真実『太陽の季節』と素顔の記録
1950年代半ば、斜陽と言われた映画界に彗星のごとく現れたのが、石原慎太郎の芥川賞受賞作を映画化した『太陽の季節』だった。この作品で主演を務めた男は、従来のハンサムな二枚目像を根底から打ち壊す。欲望に忠実で、既存の道徳を足蹴にする無軌道な若者。その危うくも瑞々しい感性を全身で表現してみせた。
制作を手掛けた日活株式会社は、この成功を皮切りに「太陽族映画」と呼ばれる一大ムーブメントを創出する。戦後の旧態依然とした価値観が崩壊し、新しい時代の風を求めていた若者たちにとって、スクリーンの中で暴れ回る姿はまさに時代のアイコンそのものだった。