幼少期の環境が生涯を決める?最新脳科学が解明する「三つ子の魂」
幼児期の環境が生涯に及ぼす影響について、国際的にも最も説得力のあるデータを提示しているのがハーバード大学発達科学研究所だ。同研究所の長年にわたる追跡調査は、幼少期の慢性的な逆境や養育者からの反応の欠如が、脳のアーキテクチャそのものを変容させてしまう実態を暴露した。
ハーバードの研究チームが提唱する「サーブ&リターン(球の打ち返し)」と呼ばれる相互作用は、子どもの呼びかけや視線に対して大人が即座に応答することの決定的な重要性を示している。この対話のラリーが繰り返されることで、脳内の前頭前皮質が強化され、後年の集中力や意思決定能力、さらには健康状態にまで好影響を及ぼす。逆に、この適切な反応が得られない「毒性ストレス」環境に置かれた子どもは、成人後に心血管疾患やうつ病のリスクが高まるという厳しい現実も数値化されている。