車載の巨人が放つ逆襲の一手、Evワイヤーハーネス独自技術の全貌
矢崎総業の歴史は、1941年に創業者・矢崎貞美が自動車用電線の製造・販売を開始したことに端を発する。「世界とともにある企業」「社会から必要とされる企業」という社是を掲げ、日本のモータリゼーションの黎明期から自動車産業を陰で支え続けてきた。
そのDNAを受け継ぎつつ、不確実性の極みにある現代のモビリティ革命を牽引するのが代表取締役社長の矢崎陸だ。同氏が主導する経営改革は、これまでの家族的経営の強みを残しながらも、迅速な意思決定とグローバルガバナンスの強化を同時に推し進めるハイブリッド型の手法を採る。
特に地政学的リスクの高まりや資材高騰が直撃する中、地域ごとの統括会社に大幅な権限を委譲。現地調達・現地生産の最適化を進め、外的ショックに強い強靭な組織体質を構築している。創業者の泥臭い現場主義と、現経営陣が推進するデータドリブンな事業ポートフォリオ管理が融合し、新たな推進力を生み出している。