熊は人を食べるのか?相次ぐ人身被害の深層と遭遇時の生存ルール
人間と熊の危険な力関係は、映画やネイチャードキュメンタリーの世界でも繰り返し描かれてきた。アラスカの原野でグリズリー(ハイイログマ)の保護を訴え、13シーズンにわたり野生の熊と至近距離で共同生活を送ったティモシー・トレッドウェルの悲劇は、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の手による映画『グリズリーマン』で全世界に衝撃を与えた。トレッドウェルは熊を家族のように愛し、意思疎通ができると信じていたが、冬眠前の飢えた熊によって恋人共々命を奪われ、その肉体を貪られた。
一方で、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『レヴェナント: 蘇えりし者』では、子連れの熊が縄張りを侵した人間に容赦なく致命傷を負わせる防衛行動の残虐性が圧倒的なリアリティで描写された。現在ではNetflixなどの動画配信サービスや、NHKオンデマンドで視聴可能な『NHKスペシャル クマ大量出没の真相』といった番組を通じ、野生動物の行動原理を生態学的・科学的に検証する機会が格段に増えている。フィクションの恐怖に怯えるのではなく、優れた映像記録から野生の本質を学ぶ姿勢が求められている。