是枝監督も唸る「ダイニング キッチン 月 海」の空間美と舞台裏
この前代未聞の試みを支えるバックボーンも盤石だ。食のプロフェッショナル集団である日本フードコーディネーター協会が監修に入り、調理動線から器の選定、湯気やシズル感の見せ方に至るまで一切の妥協を排したディレクションを実施。画面越しであっても香りや温度が伝わるほどの精度を追求した。
さらに、エンターテインメントの巨人である東宝株式会社がプロジェクトに参画。同社が長年培ってきた美術制作の粋とストーリーテリングのノウハウを惜しみなく注ぎ込んでいる。フィクションとノンフィクションの境界を融解させ、見る者を物語の当事者に仕立て上げる没入型の試みは、カルチャービジネスの新たな地平を切り拓きつつある。