「ただの策士」ではない——なぜ黒尾鉄朗は2026年、リアルスポーツ界からも“実在する伝説”と熱烈に愛されるのか?
コート上で彼が発する「俺たちは血液だ」というフレーズは、作中屈指の名言として語り継がれている。一見すると飄々として捉えどころがなく、相手の神経を逆撫でするようなリードブロックを得意とする「食えない男」。しかし、その本質は徹底した戦術眼と、コート上の6人全員をスムーズに巡らせるチーム作りの思想にあった。
特に注視すべきは、ライバル校である烏野高校の月島蛍に対する合同合宿での指導だ。敵であるはずの他校のミドルブロッカーに、自らの技術とバレーボールの「本気の面白さ」を惜しみなく叩き込んだ。あの夏の日がなければ、後の烏野の躍進も、月島の覚醒も存在しなかったかもしれない。自分の勝利だけでなく、競技全体の底上げを無意識に愛する視座の高さが、10代の頃から既に芽生えていたのだ。