日本のレシートと領収書は何が違う?経費精算で損しない新常識
辞書を引けば、英語の「receipt」に対する訳語として「レシート」と「領収書」の両方が並ぶ。しかし、日本国内の実務において両者のニュアンスと証拠能力は決して同一ではない。伝統的な手書きの領収書は、宛名に会社名が記され、金額と「お品代として」という曖昧な但し書き、そして店舗の角印が押されるのが通例だった。長年、これこそが「正式な証憑」だと信じ込まれてきた節がある。
だが実態は逆だ。品目が「お品代」としか書かれていない手書き領収書は、何を購入したのか第三者から検証できない。一方、機械印字のレシートには購入日時、店舗名、具体的な商品名、個々の税率、合計金額が秒単位のタイムスタンプとともに克明に刻まれる。税務のプロから見れば、情報量と改ざん防止の観点で圧倒的に優れているのは後者だ。「レシート=略式」「領収書=公式」という固定観念に縛られたまま経費精算を続けると、監査で使途を証明できず、思わぬ否認を食らう落とし穴に直面する。