黒川紀章の建築と座れる椅子!埼玉 県立 近代 美術館の徹底取材
展示されている作品群と同等、あるいはそれ以上の存在感を放っているのが、館そのものの建築美だ。設計を担当したのは、日本を代表する建築家・黒川紀章。1982年に開館したこの建物には、建築が生き物のように変化・成長するという「メタボリズム建築」の思想的遺伝子が脈々と息づいている。
外観を特徴づける大きな格子状フレームは、周囲の樹木や空の青さを切り取るフレームとして機能する。光と影が時間の経過とともに床や壁面に描く影模様は、刻一刻と表情を変える動的なアートだ。建築自体が自然を取り込み、成長するかのようなダイナミズム。黒川が意図した構造美の真髄が、ここにある。