熱気と煙に包まれる久礼大正町市場!極上カツオと混雑回避の真髄
この市場の空気がどこか泥臭く、それでいて圧倒的に魅力的なのは、背後に息づく漁師文化の厚みゆえだ。久礼は古くから「土佐の一本釣り」の拠点として名を馳せてきた。網でまとめて獲るのではなく、荒波の中で釣り竿一本を操り、魚体を傷つけずに引き上げる職人技。その命がけの営みと漁師たちの生き様を世に知らしめたのが、この町を舞台に名作『土佐の一本釣り』を描いた漫画家・青柳裕介氏だ。
作中に登場するような豪放磊落な漁師たちの気風は、路地のあちこちに健在である。「兄ちゃん、今日のカツオは脂の乗りが違うぞ!」と声をかけてくる店主の笑顔の奥には、黒潮の恵みとともに生きてきた揺るぎない誇りがある。