清純派から前衛の美神へ!鰐淵晴子が篠山紀信と刻んだ伝説の軌跡
彼女の魅力は、リアリズムの枠組みにとどまらない。そのエキゾチックな美貌と浮世離れしたオーラを最も奇抜な形で映画史に刻んだのが、大林宣彦監督の商業映画デビュー作『HOUSE ハウス』である。
少女たちを次々と呑み込んでいく不気味な屋敷の主・羽臼香代(おばちゃま)役。白塗りメイクに身を包み、現実と悪夢の狭間を漂うその姿は、観る者に強烈なトラウマと陶酔を植え付けた。ポップで前衛的、そして悪趣味すれすれのファンタジー空間を成立させたのは、彼女が醸し出す圧倒的な異質感だった。現在も世界中でカルト映画として熱狂的な支持を集めるこの作品において、彼女は美と恐怖が表裏一体となった怪奇のアイコンとして永遠の生命を得ている。