女の業と魂の絶唱!一条ゆかり『プライド』結末が放つ衝撃の深層
2009年に公開された実写映画『プライド』は、金子修介監督がメガホンを取り、大胆なキャスティングで話題を呼んだ。なかでも緑川萌役を演じた満島ひかりの凄まじい存在感は、今振り返っても鳥肌が立つ。
当時、まだブレイク直前だった満島は、人間の持つドス黒い嫉妬、劣等感、そして歌への妄執を剥き出しにして演じきった。スクリーンから放たれる剥き出しの飢燥感は、まさに原作の萌そのもの。のちに日本映画界を代表する名女優へと飛躍する彼女の、決定的な才能の萌芽がここに刻まれている。
対する麻見史緒役には、驚異の歌唱力を持つシンガー・ステファニーが抜擢された。演技経験の浅さを補って余りある圧倒的なハイトーンボイスは、本職のソプラノ歌手さながらの説得力を放ち、劇中のオペラシーンに本物の熱狂をもたらした。演技の怪物・満島と、歌の申し子・ステファニー。ふたりの異種格闘技戦のようなぶつかり合いは、実写化における奇跡的なケミストリーを生み出した。