「コーラで歯が溶ける」は嘘?歯科医学が明かす都市伝説の真実
科学ジャーナリズムの視点で生体機構をファクトチェックすると、人間の体に備わった防御機能の凄まじさに驚かされる。酸性飲料が口の中に入った瞬間、私たちの唾液腺からは大量の唾液が分泌される。唾液には炭酸水素塩などが含まれており、低下した口腔内のpH値を急速に中性付近へと戻す強烈な「緩衝能(かんしょうのう)」を備えている。
さらに、唾液は酸によって奪われたカルシウムやリンといったミネラルを歯に補給する「再石灰化」の役割も果たす。つまり、健康な口腔内環境においては、コーラを一口飲んだからといって歯が永久に溶け続けることはない。生体の防衛システムが数分から数十分の間に作動し、エナメル質をダメージから保護しているのだ。