ドレス一枚で日本を変えた「伝説の美学」:没後2年、桂由美が遺したブライダル革命と現在地
東京・乃木坂にある本店を訪れると、今も変わらず静謐で優美な空気が漂っている。かつて日本で結婚式を挙げる女性のうち、ウエディングドレスを選ぶ割合は僅か3%にも満たなかったという。その常識を打ち破り、ブライダル産業という巨大な市場をゼロから作り上げた原動力は、彼女の凄まじいまでの現場主義と先見の明にあった。
「女性を最も美しく見せるラインとは何か」。生涯をかけて追い求めたその答えが、有名な「ユミライン」だ。360度どこから見ても立体的な美しさを放つ独創的なシルエットは、西洋のドレス技術に日本の伝統的な立体裁断を融合させることで生まれた。単なる絢爛豪華さではなく、着る人の身体構造を極限まで計算し尽くした仕立てが、国境や時代を超えて世界中のセレブリティや花嫁を魅了し続けている。