国際派女優・玄理の圧倒的キャリアと町田啓太と築く等身大の素顔
日本映画の枠組みを刷新し続ける濱口竜介監督の作品世界において、玄理が果たした役割は極めて大きい。ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した短編集『偶然と想像』の第1話「魔法(よりもっと不確か)」では、親友の恋バナを聞くモデル・つぐみ役を熱演。タクシー車内という密室での息詰まる会話劇を、抑制の効いたスリリングな演技で支配した。
さらに世界的な旋風を巻き起こし、米アカデミー賞国際長編映画賞を獲得した『ドライブ・マイ・カー』での確かな足跡も見逃せない。彼女の演技は過度な感情表現を排しながらも、登場人物の胸の内を雄弁に物語る。徹底したテキストの読み込みと声のトーンの調整によって、映画そのものに重厚なリアリティを吹き込んできた。