なぜ入ってはならないのか?日本に残る禁足地のタブーと戦慄の真相
日本古来の土着信仰や閉ざされた村落への興味は、大衆エンターテインメントの世界をも大きく揺さぶってきた。『呪怨』などで世界を震撼させた映画監督・清水崇が手がけた映画『犬鳴村』は、福岡県に実在する旧犬鳴トンネルとそれにまつわる都市伝説をモチーフにし、凄まじい社会現象を巻き起こした。作中で描かれた「この先、日本国憲法通用せず」という看板の噂や、国家から抹消された異形の集落というイメージは、ネット社会の若者たちの好奇心に強烈な火をつけた。
しかし、ホラー・オカルトの文脈で消費される熱狂の裏には、深刻な現実問題が横たわっている。実際の旧犬鳴トンネル周辺は、過去に痛ましい凶悪事件が発生した現場であり、崩落の危険性から厳重にコンクリートで封鎖されている。映画のヒット以降、肝試し感覚でフェンスを乗り越える不法侵入者が後を絶たず、警察の取り締まりが強化された。虚構のホラーが現実の立入禁止区域を侵食し、新たなトラブルを生み出す構図は、現代における禁忌の消費の危うさを如実に示している。