幻の共水から隠れ名店まで徹底追跡!大井川うなぎと職人の極意
「串打ち三年、裂き八年、焼きは一生」という言葉がある通り、鰻の蒲焼の完成度は焼き手の腕にすべてが委ねられている。背開きにして白焼きにした後、じっくりと蒸気を通して余分な脂を落とし、紀州備長炭の強火で一気に焼き上げる関東風の手法。だが大井川の職人たちは、そこに独自のアレンジを加える。
炭の配置、団扇の仰ぎ方、そしてタレをくぐらせる絶妙なタイミング。創業から何十年も継ぎ足されてきた秘伝のタレは、鰻の骨や頭から染み出た滋味が凝縮され、深みのある琥珀色に輝く。強火の遠火で表面をカリッと香ばしくキャラメリゼしつつ、内部にはふっくらとした水分を閉じ込める。日本料理の粋を集めたその手さばきは、まさに一期一会の舞台芸術だ。