体に良いはずの大豆で体調不良?過剰摂取の落とし穴と安全な目安
米国立医学図書館の学術データベース「PubMed」を検索すると、大豆イソフラボンの生体内動態や代謝産物に関する膨大な数の査読付き論文がヒットする。近年の研究で特に脚光を浴びているのが、イソフラボンが腸内細菌によって代謝されて生まれる強力な成分「エクオール」の存在だ。
日本人を含むアジア人でも、体内でエクオールを産生できる腸内環境を持つ人は約30〜50%程度にとどまる。つまり、同じ量の大豆を食べても、体内で受ける影響の強さは個々人の腸内細菌叢によってまるで異なるのだ。国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所などの最新知見でも、個人の代謝プロファイルや体質の違いを考慮しない画一的な過剰摂取のリスクが指摘されている。
現在進められている日本人の食事摂取基準策定プロジェクトなどの議論においても、食品の機能面だけを切り取って推奨するのではなく、個人の健康状態や摂取源の質を見極める精密栄養学の視点が不可欠であることが浮き彫りになっている。