『ゲド戦記』クモの性別と正体を考察!原作との違いと恐怖の真実
映画『ゲド戦記』の理解を深める上で欠かせないのが、米国の大家アーシュラ・K・ル=グウィンによる原作小説との比較だ。映画版は原作の第3巻『さいはての島へ』をベースに構築されているが、クモのキャラクター像には大きな改変が加えられている。
原作におけるクモ(Cob)は、かつて金のために死者を呼び出す見世物を行い、ハイタカに懲らしめられた浅はかな魔法使いとして登場する。原作のクモは恐ろしい怪物というよりは、死を恐れるあまり黄泉の国の扉を開けて世界を滅ぼしかける、情けなくも哀しい男だ。一方、映画版ではより邪悪で強大なラスボスとしての色彩が強められ、視覚的にも美しさと禍々しさが同居する象徴的なキャラクターへと再構築された。このアレンジによって、作品全体に流れるダークファンタジーの色彩がより濃厚になったと言える。