歌舞伎の常識を破る成駒屋の若き獅子・中村橋之助の覚醒と素顔
名門・成駒屋の大名跡を受け継ぐプレッシャーは並大抵のものではない。父・八代目中村芝翫の背中を追いかけながら、四代目 中村橋之助としてのアイデンティティを確立する日々。それは自らの肉体と芸を極限まで削り落とす作業の連続だ。
「父の真似をするだけでは、成駒屋の芸を守ったことにはならない」。稽古場での彼は、自らに言い聞かせるようにそう呟く。偉大な先人たちの影に怯むことなく、自らの血肉として古典を咀嚼し直す貪欲な姿勢こそが、彼を特別な役者たらしめている。