デザイン現場を救う「ちょうどいいイラスト」の安全性と活用術
日本のインターネット空間は長らく、イラストレーターのみふねたかし氏が手掛ける「いらすとや」が席巻してきた。市役所の掲示物から民放キー局のニュース番組、大企業の広告に至るまで、あの愛らしいタッチを見ない日はなかったほどだ。しかし、あまりの普及によって「どこかで見た既視感」や「手抜き感」を鑑賞者に抱かせるという副作用も生じ始めた。
そこで台頭したのが、無駄な装飾を削ぎ落としたフラットデザインのトレンドだ。現代の洗練されたUI/UXデザインにおいては、イラストが主役になりすぎてはならない。主役はあくまでユーザーであり、コンテンツのメッセージそのものだ。記号としての分かりやすさを保ちつつ、背景のトーンを壊さない引き算の美学が求められた結果、新たな受け皿としてミニマルなイラスト群が熱烈に歓迎されたのである。