積雪量世界一は日本?伊吹山11Mのギネス記録と青森が誇る豪雪の真実
豪雪が作り出す造形美の極致が、富山県と長野県を結ぶ立山黒部アルペンルートの「雪の大谷」である。標高2,450mの室堂ターミナル周辺では、冬の間に積もりに積もった雪が吹きだまりを形成し、春の除雪直後には高さ20メートル近くに達する巨大な雪の壁が出現する。
世界に目を向けると、アメリカ・ワシントン州のマウント・ベーカーでは、1998〜1999年の1シーズンで累計降雪量28.96mという記録が残されている。ただし、これは1年間に降った雪の総量を合算した「累積降雪量」の数値だ。地面に実際にどれだけの深さで雪が積み上がったかを示す「最深積雪深」とは定義が異なる。
日本の雪は水分を多く含む湿った重い性質を持っており、降り積もると自重で強く圧縮される。北米やヨーロッパの極寒地帯で見られるパウダースノーが風で吹き飛ばされやすいのに対し、日本の湿雪はしっかりと大地に定着して層を成す。この雪質の違いこそが、立山の20mに迫る強固な雪壁や、伊吹山の11.82mという歴史的記録を支えた物理的要因でもある。