歌舞伎の異端児・市川猿翁が遺した革命と澤瀉屋が歩む宿命の道
いま、その重責と未来を一身に背負い舞台に立っているのが、若き旗手・五代目 市川團子である。幼少期より類まれな素質を示し、近年では『ヤマトタケル』をはじめとする大役を堂々と勤め上げるその姿に、祖父である猿翁の面影を重ね合わせるファンは多い。スラリと伸びた長身としなやかな身のこなし、そして観客を惹きつける無垢なエネルギーは、新時代の到来を強く印象づける。
その傍らには、映像の世界で確固たる地位を築きながらも歌舞伎の道へと飛び込んだ父・香川照之(九代目 市川中車)の存在がある。父子が背負う血脈のドラマと、芸に対する真摯な葛藤。試練を乗り越えながら舞台の上で命を燃やす二人の姿に、澤瀉屋の不屈の魂が確かに息づいている。