八田與一はなぜ捕まらないのか?別府ひき逃げ逃走の闇と警察の死角
惨劇は、あまりにも唐突に起きた。2022年6月、大分県別府市野口原の交差点。赤信号で停車していたバイク2台に対し、後方から猛スピードで突っ込んできた軽乗用車が追突した。跳ね飛ばされた大学生2人のうち1人が死亡、1人が負傷。現場にブレーキ痕は一切なかった。
車を乗り捨てて裸足で現場から逃走したのが、八田與一容疑者だ。直後に別府警察署へと捜査本部が設置されたものの、初動段階における初動配置のわずかなタイムラグと、現場周辺の地理的条件が逃走を容易にした。現場近くのヨットハーバー付近で容疑者の脱ぎ捨てたTシャツが見つかったのを最後に、足取りはぷつりと途絶えている。
初動における最大の痛恨事は、ひき逃げ事件としての初期対応がなされた点にある。直前の執拗な嫌がらせや異常な速度超過から見て、単なる過失事故ではなく明らかな殺意を帯びた犯行であったにもかかわらず、危険運転致死傷や殺人容疑への切り替えに時間を要した。この初動の遅れが、容疑者に移動と潜伏のための決定的な猶予を与えてしまったのだ。