あの泥沼愛憎劇から10年——片岡愛之助と熊切あさ美が辿った「それぞれの生還劇」とメディアの罪深さ
事の発端を覚えているだろうか。歌舞伎界の寵児としてお茶の間の人気を博していた片岡愛之助と、バラエティ番組で独自の存在感を放っていた熊切あさ美。熱愛発覚当初は微笑ましいカップルとして見られていた二人だったが、事態は突如として混迷を極めた。破局を主張する男性側と、交際継続を信じて疑わない女性側。双方の主張は真っ向から対立し、メディアは一言一句を精査しては煽り立てた。
当時の報道過熱ぶりは、現在のSNSバッシングの原形とも言える熱量を帯びていた。ワイドショーのコメンテーターたちは面白おかしく二人の心理状態を分析し、スポーツ紙は連日のように「新展開」を報じた。個人間のプライベートな感情のもつれが、日本中が参加する巨大なエンターテインメントへと変貌を遂げた瞬間だった。