2026年、京都の路地裏で起きている「緑のスープ」激変―抹茶ラーメンは邪道か、至高の進化か?
「抹茶をラーメンに入れるなんて、最初は正気の沙汰じゃないと思いましたよ」
祇園の路地裏に店を構える職人は、苦笑交じりに当時を振り返る。スープのベースは、丸一日煮込んだ国産鶏と極上豚骨のアッサンブラージュ。そこに投入されるのは、抹茶スイーツ用ではなく、茶道で使われる一級品の宇治点て茶だ。油分とカテキンが結びつくことで、こってりとした脂っぽさが嘘のように消え去る。スープを飲み干した後の後味は、驚くほど軽やかで気品に満ちている。
化学的にも、抹茶に含まれるテアニンという旨味成分は、動物性のイノシン酸や昆布のグルタミン酸と相乗効果を起こす。単なるバズ狙いのトッピングではなく、分子レベルで計算し尽くされた味付けなのだ。ひとたび口に含めば、その緻密なロジックに脱帽せざるを得ない。