摘便とは?介護職ができる範囲や安全手順・命に関わるリスクを徹底解説
摘便は患者にとって強い身体的苦痛と精神的羞恥心を伴う処置です。安全性を高め、苦痛を最小限に抑えるためには、摘便の手順とコツを正しく理解し、解剖学的な特徴に沿った丁寧な手技が求められます。
具体的な看護手順とバイタルサイン観察、処置の流れは次の通りです。
まず、プライバシーが守られた環境を整え、患者に処置の必要性と手順を丁寧に説明して同意を得ます。体位は、直腸と下行結腸の走行が一直線になりやすい左側臥位とシムス位の姿勢を取らせます。この体位を維持することで、直腸への無理な負荷を減らし、挿入時の抵抗を軽減できます。
次に、手指の爪を短く整え、使い捨て手袋を二重に装着した上で、潤滑ゼリー・ワセリンの塗布を指と肛門周囲に十分に行います。潤滑剤を惜しまず使用することが、摩擦による疼痛と粘膜損傷を防ぐ最大のポイントです。
挿入時は、患者に深呼吸(口からゆっくり息を吐く)を促し、肛門括約筋が緩んだタイミングを見計らって指腹でゆっくりと押し広げるように挿入します。これが痛みの少ない摘便方法の基本です。直腸内に入ったら、便塊の先端を無理に引っ張り出そうとせず、指腹を使って便を小さく砕き、少しずつ肛門部へ誘導して摘出していきます。