なぜ自由に出し入れできる?猫の爪の驚くべき仕組みと安全ケア
なぜ猫の爪は自由に出し入れできるのだろうか。その秘密は、鞘と屈筋腱(爪の伸縮メカニズム)と呼ばれる独自の解剖学的構造にある。犬の爪が出しっぱなしで地面に接しているのに対し、猫の爪は通常、指先の皮膚の鞘(さや)の中に大切に格納されている。これにより、歩行時に爪先が削れて丸くなるのを防ぎ、常にナイフのような鋭利さを保つことができる。
この出入りを自在にコントロールしているのが、深指屈筋・背側靭帯という2つの力学機構だ。リラックスしている平常時には、指の上部を通る背側靭帯が強いゴムのように機能し、爪のついた末節骨を後方に引っ張り上げている。この張力のおかげで、力を入れずとも爪は鞘の中に安全に収まり続ける。一方で、獲物を捕まえたり木を登ったりする瞬間には、足の裏側を走る深指屈筋がぐっと収縮する。腱が力強く引っ張られることで末節骨が前方へ回転し、隠されていた爪が一気に露出する仕組みだ。