なぜ塀から落ちた?ハンプティ・ダンプティ不気味な起源と真実
世界中で愛唱される伝承童謡集『マザー・グース』。そのページをいくらめくっても、実はハンプティ・ダンプティが「卵」であるという記述は一行たりとも見当たらない。「高い塀の上に座り、派手に落っこちた。王の馬と王の家来のすべてをもってしても、元通りに直すことはできなかった」——語られているのは、ただそれだけの唐突な破滅劇だ。
もともとこの唄は、民衆の間で交わされた「なぞなぞ(リドル)」だった。答えを知らない聞き手に対し、粉々に割れて修復不可能な「何か」を連想させる知的な言葉遊び。それがいつの間にか、卵の胴体に手足が生えたグロテスクで愛嬌のある怪物として具現化し、世界中の子供部屋へと忍び込んでいった。