なぜ『2億4千万の瞳』は色褪せないのか?国民的アンセムの真実

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1984年2月、日本中のお茶の間に衝撃が走った。シングル『2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン』のリリースである。当時の日本国有鉄道(国鉄)による大規模な観光誘致「エキゾチック・ジャパン」キャンペーンのテーマソングとして企画されたこのプロジェクトは、ソニー・ミュージックエンタテインメント(当時:CBS・ソニー)の総力を結集した一大プロジェクトだった。

当時の日本の総人口であった約1億2000万人。その「瞳」の数を掛け合わせた「2億4千万」という途方もないスケール感を打ち出したのは、作詞を手がけた売野雅勇だ。異国情緒とナショナリズム、都会的な洗練と泥臭いエネルギーが交錯するリリックは、高度経済成長を経て国際化へと舵を切った当時の日本社会の空気感を完璧に捉えていた。

一方、メロディを構築した作曲家の井上大輔は、疾走感あふれるロックビートに哀愁を帯びた旋律を大胆に融合。一度聴いたら耳から離れないフックと、ドラマチックに展開するコード進行を作り上げた。巨大インフラ企業のキャンペーンソングという制約の多い枠組みの中で、クリエイター陣は妥協なき実験精神を発揮し、時代を象徴するマスターピースを完成させたのだ。

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