『宝石の国』はなぜ「ひどい」と叫ばれるのか?鬱展開の真相と結末評価
本作を語る上で外せないのが、連載当時に巻き起こった「1万年休載事件」です。作中において、フォスが金剛から祈祷の能力を受け継ぎ、神のごとき存在へ昇華するために「1万年の孤独な祈りの時間」を過ごす展開に突入した際、現実の連載も約1年半にわたる長期休載に入りました。
2020年12月の第95話掲載後、物語が極限の断絶を迎えたタイミングでの休載発表に、SNSでは「読者もフォスと共に1万年待たされるのか」「作者の演出が徹底的すぎて怖い」と大きな話題を呼びました。
作中のフォスが気の遠くなるような時間をたった一人で過ごす苦痛を、読者にも「待機」という形で疑似体験させるかのような構成は、市川春子という作家の凄みと底知れぬ狂気を印象づけるエピソードとなっています。