謎の生物が居座る不気味な魅力!『うろんな客』が放つ中毒性の正体
英語原本の五・七・五調とも言える見事なライム(韻律)を、日本語でいかに再現するか。この難題に見事な解答を出したのが、アメリカ文学の第一人者である翻訳家・柴田元幸だ。原文の持つ冷淡なユーモアと気品を損なうことなく、日本語特有のリズムへと昇華させた手腕は、翻訳の秘密と言っても過言ではない。
柴田の日本語訳は、声に出して読んだときに真価を発揮する。短くも鋭い言葉選びが、不気味な挿絵と完璧なシンクロを起こす。原書の持つクラシックな雰囲気を保ちつつ、日本の読者の琴線に触れる絶妙な言葉遣い。この翻訳の完成度こそが、作品を単なる海外絵本から不朽の名作へと押し上げた立役者である。