名女優・中田喜子の現在と壮絶半生!渡鬼秘話から俳句の頂点まで
彼女の名を国民的スターへと押し上げた決定打といえば、TBSテレビを代表する看板作品『渡る世間は鬼ばかり』だろう。希代の脚本家・橋田壽賀子と名プロデューサー・石井ふく子の名コンビが手掛けたこの大河ホームドラマで、中田は岡倉家の三女・文子役を演じきった。
文子は、キャリアと家庭の両立、離婚、子育ての苦悩といったリアルな現代女性の葛藤を体現する極めて重厚な役どころだった。橋田ドラマ特有の、何ページにも及ぶ長セリフを一発勝負のスタジオ収録で完璧にこなすプレッシャーは凄まじい。石井ふく子が求めた「生きた日常の空気感」を再現するため、共演者たちと徹底的に呼吸を合わせ、文子という生身の人間の痛みを画面越しに届け続けた。