知床のヒグマ遭遇リスクと共存の現在地!現地ガイドが語る真実
「ヒグマが人を恐れなくなった瞬間が最も危ない」と、斜里町で四半世紀にわたりガイドを務めるベテランは語る。かつてのように人間を過度に避けることなく、車や観光客の喧騒を平然と無視して採食を続ける個体が増加しているという。
この「人馴れ(ハビチュエーション)」は、一見すると温厚で無害に見える。しかし、それは決して人間への親愛ではない。単に障害物として意識していないだけであり、不用意に距離を詰められたり、驚かされたりした瞬間に攻撃衝動へと反転する危うさを孕んでいる。
現地ツアーで徹底されているのは、クマスプレーの携行義務化と、声を出しながら歩く予防策だ。風向きによっては人間の匂いや鈴の音が届かないケースもある。ガイドたちは風上と風下の状況を常に読み、視界の開けないカーブの手前では鋭く手を叩いて自分たちの存在を森全体に知らせる。日常的に野生と対峙するプロの現場では、直感ではなく冷徹な手順の積み重ねだけが安全を担保している。