弥次さん喜多さんは恋人同士?原作『膝栗毛』に眠る男色の真相と旅の理由
弥次さん喜多さんの物語は、江戸時代後期の享和2年(1802年)に町民作家の十返舎一九が発表した滑稽本『東海道中膝栗毛』が原典です。
この原作の冒頭(発端)には、現代の児童書や民話アニメでは完全にカットされている二人の濃密な関係が明記されています。結論から言えば、弥次喜多が男色・衆道(同性愛)の関係にあったという噂は完全な事実です。単なる都市伝説や後世の創作ではなく、作者本人がテキストにはっきりと書き残しています。
江戸時代当時の日本には「男色(なんしょく・なんしき)」や武士階級に由来する「衆道(しゅうどう)」という同性愛文化が広く浸透していました。成人男性(念者)が年少の美少年(若衆)を愛好することは特別なタブーではなく、町人の間でも粋な嗜みや身近な人間関係の一形態として受容されていた背景があります。二人の結びつきも、まさにそうした江戸の風俗をリアルに反映したものでした。