没後10年を迎えたミスター・ラグビーの遺産——平尾誠二の息子・昂大氏が自らの足で歩む「救命と意志」の軌跡【2026年特別追悼ルポ】
メディアの前ではクールでスタイリッシュな最高峰のアスリートであり続けた平尾誠二氏だが、家庭内での姿は驚くほど穏やかで、思慮深い「父親」そのものだった。妻の惠子さんをはじめとする家族の証言によれば、誠二氏は自宅でラグビーの話を過度持ち込むことはなく、子どもの興味や関心に耳を傾ける時間を何より大切にしていたという。
「父親の威光」で威圧することなく、対等な一人の人間の対話として接する。そうした家庭環境があったからこそ、昂大氏もまた過剰なコンプレックスや比較に苛まれることなく、自然体で自らの進路を選択できた。父の遺した言葉や態度は、今も平尾家の日常生活の中で息づいている。