マーブル模様の深遠なる魅力!歴史から最新プロの技まで徹底解説
マーブル表現の歴史は、東洋と西洋の文化交流史そのものでもある。9世紀から10世紀頃の日本で生まれた「墨流し」は、水面に墨と油脂を交互に落とし、息を吹きかけたり針で揺らしたりして模様を作り、和紙に写し取る伝統技法だ。平安貴族たちは、この儚く揺れる紋様を歌集の装飾紙として珍重した。
一方、シルクロードを経由して中東へと伝播した水上絵画は、トルコにおいて「エブル」という独自の工芸美術へと昇華する。植物性ゴムを溶かした粘性のある水溶液に顔料を散らし、特別な櫛や針で繊細な植物や幾何学模様を描き出す極めて精密な技術だ。この伝統技術を現代に継承し、世界的な名声へと導いたのが巨匠ムスタファ・ドゥズギュンマンである。彼の遺した作品群と伝統保護への貢献が高く評価され、トルコのエブル技術は「ユネスコ」無形文化遺産に登録されるに至った。