予言獣「件(くだん)」の正体とは?人面牛身の伝承と歴史の真相を追う

予言獣「件(くだん)」の正体とは?人面牛身の伝承と歴史の真相を追うについて見逃せない 注意点を分かりやすく解説いたします。

件に関する最古級の記録は江戸時代後期に遡ります。文化文政期(1804〜1830年)から天保年間にかけ、西日本を中心に「件が生まれ、重大な予言をした」とする瓦版が多数発行され、庶民の間で爆発的な流行を見せました。

天保7年(1836年)に発行された瓦版の絵図には、丹後国(現在の京都府北部)で生まれた人面牛身の怪物が描かれ、大豊作の後に大飢饉や疫病が訪れると告げたと記されています。興味深いのは、単なる凶兆の使者ではなく、「この絵姿を家に貼り置けば家内安全・無病息災を得られる」という厄除けの呪符(お守り)として扱われていた点です。

この伝承は近代に入っても途絶えませんでした。明治・大正を経て、第二次世界大戦末期の昭和18〜20年頃には、「神戸や広島で件が生まれ、日本の敗戦と戦争の終結時期を予言した」という流言飛語が都市部で急速に拡散しました。極限の統制下にあっても、人々は人知を超えた件の予言に一筋の希望やすがりどころを求めていたことが窺えます。

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