龍馬伝が変えた時代劇の常識!福山雅治が宿した魂と撮影秘話の全貌
本作の構造的な妙は、脚本家・福田靖が選んだ大胆な構成にある。龍馬自身のモノローグで進めるのではなく、後に三菱財閥を築く岩崎弥太郎という「持たざる者」の視点から龍馬の生涯を語らせた点だ。
幼少期からの劣等感、身分制度への激しい怒り、そして目の前で次々と常識を打ち破っていく龍馬への愛憎。弥太郎というフィルターを通すことで、龍馬の先進性やカリスマ性が神格化されることなく、血肉の通った生身の人間として浮き彫りになった。英雄を絶対的な正義として描かないこの視点の導入が、重厚なドラマツルギーを成立させた。