キオクシアが踏み切る過去最大規模の自社株買い——Aiメモリ特需と資本最適化がもたらす株価の限界突破
株主還元への舵切りは、一朝一夕に決まったものではない。2024年から2025年にかけての再上場以降、キオクシアは最先端の第8世代・第9世代BiCS FLASHの量産化を急速に進めてきた。特に2026年に入り、AI推論向け大容量SSDの需要が世界的に爆発。価格交渉権を握った同社は、数年前の赤字構造から完全に脱却し、記録的な営業利益率を叩き出している。
市況の追い風を受け、手元資金は過去最高水準に達した。従来の半導体メーカーであれば、得たキャッシュのほぼ全てを次世代工場の建設やEUV露光装置の導入へと再投資するのが常石だった。しかし、経営陣が選んだのは資本コストを意識した経営への完全移行だ。投資家からの圧力をかわすだけでなく、自社株の割安感を自ら払拭する狙いが透けて見える。