鏡を見るのが辛い心の罠――身体醜形障害のサインと克服への全貌

鏡を見るのが辛い心の罠――身体醜形障害のサインと克服への全貌の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

この苦痛は、決して現代特有の流行病ではない。遡ること1886年、イタリアの精神科医エンリコ・モルセッリは、自らの容姿が奇形であるという妄想的恐怖に怯える患者たちを観察し、「異形恐怖症(Dysmorphophobia)」と名付けた。ギリシャ神話に登場する不器量な妖精「モルモー」に由来するこの概念は、外見そのものではなく、知覚と自己評価を司る脳の機能不全を言い当てていた。

精神医学の進歩によって、この障害が脳内の視覚処理やセロトニン神経系の異常に関連していることが明らかになってきた。本人は嘘をついているわけでも、過剰にナルシシズムをこじらせているわけでもない。対象を全体として捉える「グローバル処理」が低下し、微細な部分のみを極大化して知覚する「ローカル処理」の暴走が起きているのだ。つまり、彼らの網膜と脳は、本当に自らを「歪んだ姿」として捉えている。

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