禁断の問題作『芋虫』映画の全貌に迫る!過激な描写と受賞の裏側
若松監督の社会派アプローチとは対照的に、乱歩の官能的かつ美的世界観を映像美として昇華させた作品が2005年公開のオムニバス映画『乱歩地獄』だ。乱歩の代表的短編である『火星の幻影』『鏡地獄』『芋虫』『虫』の4作を新進気鋭の監督陣がそれぞれ映像化した本エピソード群において、『芋虫』パートは佐藤寿保監督がメガホンをとった。
ここでは、グロテスクな情念とエロティシズムが濃密に絡み合い、アバンギャルドな映像手法によって人間の深層心理が暴かれていく。エロスとタナトス(死)が隣り合わせになった美学は、映画ファンから今なおカルト的な支持を集めている。