甲子園を震わせた伝説の語り手・小野塚康之が明かす熱狂の舞台裏
選抜高等学校野球大会や夏の選手権といった学生野球だけでなく、日本野球機構(NPB)のペナントレースや日本シリーズの実況でも、小野塚氏は独自の存在感を放ってきた。プロ野球の洗練されたハイレベルな駆け引きを描写する際にも、彼の根本にあるのは「選手への絶対的な敬意」だ。
高校野球の一瞬にかける儚さと、プロ野球選手が背負う生活やプライドの重み。対象が異なればリズムや間合いも変わるが、根底にある観察眼はブレない。投手の指先のわずかなブレ、打者の打席内での足の位置、ベンチのサインの気配。勝負の分かれ目となるディテールを的確に言語化し、視聴者がまるでベンチ裏で観戦しているかのような臨場感へと引き込んでいく。