信太山新開地協同組合の真相|激変する関西最後の色街と独自規約
かつては知る人ぞ知る秘密の街だった信太山も、メディア環境の劇的な変化から逃れることはできなかった。YouTubeの街歩き動画や、ABEMAのドキュメンタリー番組などで取り上げられたことで、遠方からの来訪者が急増した。画面越しに消費されるレトロな異界情緒が、好奇心を煽る触媒となったのだ。
だが、扇情的な動画コンテンツが氾濫する今だからこそ、作家の井上理津子が著書『さいごの色街 飛田』などで丹念に掘り起こしたような、生々しい人間の生活史に立ち返る必要がある。優れたルポルタージュが示したのは、単なる歓楽街の消費ではなく、そこで生きる女性たちや店主たちの切実な生活の営みだった。その視座を持たずに街を冷やかしの対象とする風潮に対し、現場からは戸惑いの声も漏れる。