合唱曲『群青』歌詞の意味と誕生秘話|涙を誘う感動の背景と歌唱指導
この名曲が産声を上げたのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災と、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所事故がきっかけでした。福島県南相馬市小田高区は原発から20キロ圏内に位置していたため、全域が避難指示区域に指定されます。
当時、小田高中学校に在籍していた生徒たちも全国各地へと散り散りに避難を余儀なくされました。翌月、避難先となった鹿島中学校の仮設校舎で授業が再開された際、登校できた生徒は元の約3分の1となるわずか数十名に激減していたといいます。親しい友人の安否すら定かではない不安と孤独のなか、生徒たちは互いを気遣い、見えない仲間へと思いを馳せていました。
そんな過酷な環境下で、音楽科教諭の小田美樹先生が、生徒たちが綴った日記や作文の言葉、会話の断片を一つひとつ丁寧に拾い集め、メロディを付けたことが『群青』の始まりでした。2013年2月、同校の卒業式に向けて生徒たちの想いを形にしたこの曲は、別れを惜しむだけでなく「再びこの町で会おう」という固い絆の証となったのです。