ハンバーグの隠し味で幻覚?ナツメグ中毒の危険性と救急対処法
ナツメグ摂取による毒性の特徴は、潜伏期間の長さにある。摂取直後には何の変化も現れず、3〜6時間が経過した頃に突如として異変が襲いかかる。このタイムラグが原因で、当人がスパイスの影響だと気づかないケースも珍しくない。
初期症状として現れるのは、激しい口渇、顔面の紅潮、めまい、そして胸を締め付けるような頻脈だ。やがて悪心や嘔吐が始まり、病状が進行すると「壁が歪んで見える」「存在しない声が聞こえる」といった鮮明な幻覚や激しいパニック発作に襲われる。重症例では全身の筋肉が硬直して痙攣発作を起こし、救急医学の現場でも一刻を争う処置が求められる。解毒後も数日間にわたって激しい倦怠感や抑うつ状態、健忘が続くなど、心身へのダメージは極めて深い。