鼻腔抜ける辛みと文豪の記憶!伊豆の深奥で味わう贅沢ドライブ
道の駅から少し足を伸ばすと、苔むした石造りのトンネル「天城山隧道」へと続く旧道が分岐する。明治の土木技術を結集して造られたこの重厚な隧道は、国の重要文化財にも指定されており、一歩足を踏み入れれば冷涼な空気が肌を包み込む。
幾度となく銀幕を飾った映画『伊豆の踊子』のロケ地としても知られ、旅芸人一行と青年の淡い交流が目に浮かぶようだ。一方で、張り詰めたサスペンスが展開する映画『天城越え』の緊迫した陰影も、この深い山深い景観と分かちがたく結びついている。
昭和シネマの記憶を宿す隧道周辺は、春の新緑から秋の錦秋まで、四季折々に異なる陰影を見せる。ハイキング装備を整えて旧天城トンネルまで歩くショートトリップは、ドライブの単調さを打ち破る最高の刺激になるはずだ。